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どうしてそんな驚いた顔をしているのか? 「……な、何が?」 そう言って、亜季は自分の声がおかしいことに気付いた。 うまく、喋れない。 どうしてだろう? 「……お前、それ、どうしたんだ?」 淳司は呆然と亜季の顔を指差している。 そう言われて亜季は、自分の頬に手を触れてみる。 そこでやっと淳司の驚愕の原因に気付いた。 自分が、泣いていることに。 「……お、い……俺……何か、した、か?」 淳司はあたふたと手足をせわしなく動かしている。 そのいつも通りの彼の反応に、彼女の感情の堰は切れてしまった。 「……そうだよね……今日は、二月十三日じゃないよね。今日は、二月十四日で……昨日は……十三日で、いいんだよね……!」 そう言うと、不覚にも亜季は再びは泣き出してしまった。 「お、おおい!こ、こんなとこで泣くな!」 淳司はポケットを物色しはじめ、ハンカチを取り出す。 「……ちょっと汚いかもしれないが……我慢してくれ」 亜季の前に差し出されたハンカチは確かに汚かった。三日は確実に洗ってないだろう。 「……これしかないの?」 不満げな亜季の声に、 「……悪かったな。それしかねえよ」 淳司はそっぽを向いて答える。 少しの間迷ったが、泣きはらしたまま学校に行くよりは幾分かいいだろうと思い、亜季 はその薄汚れたハンカチで涙を拭う。ポケットにはいつも用意してあるハンカチとティッシュがあったが、それを取り出すのは気が引けた。  そして、しばらくして亜季が落ち着きを取り戻したとみるや、  「お前が狂ったんじゃないかっていう疑問は……二月十三日の件でいいのか?」  淳司は確認するように尋ねる。

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